インド共和国政府国防大臣
ジョージ・フェルナンデス閣下 2001年11月
要望書
インド共和国の平和的国家建設と民主主義の発展に尽力をつくし国民の安寧に献身的な努力を払う国防大臣ジョージ・フェルナンデス閣下に対し敬意を表します。
私たち『すべての武器を楽器にピースメーカーズネットワーク』代表団を、日印国交回復50周年を記念する平和イベントにご招待いただき、偉大なインド民衆がイギリス支配に抵抗して自由と解放を戦い夢と希望を求めた都市『デリー』にて、国交回復の意義の深さと平和を共有する喜ぴを国防大臣閣下及びインド国民と共に分かち合うことをこの上ない名誉と受け止め、国防大臣閣下に対し衷心から感謝申し上げます。
私たちの住む沖縄は日本国の南西に位置し、洋上に浮かぷ小さな島々は、サンゴ礁で形成され、透き通る青い海は人々に恵を約束し、十四世紀の頃はアジアの国々と交易を結び、礼節を重んじ文化を尊ぶ平和な民族でした。ご存知のとおり、世界を巻き込んだ第二次大戦において、沖縄は島もろとも焼かれ、位牌が山河を埋め尽くすほど凄惨を極めました。1945年の終戦後から現在にいたるまで、在日米軍基地の75%が小さな沖縄に存在し、民衆の平和と人権は蹂躙され続けてきました。同じように世界各地で基地被害があとを絶ちません。
アジア、アフリカ、ラテンの途上国の民衆は、度重なる戦争で貧困と飢餓が蔓延し、一方、地球環境の破壊のスピードは増幅し、人類は歴史上かつてない存亡の危機に直面しています。人類は、21世紀こそ『世界平和、地球環境の保全、人間の安全保障』の扉が開くことを祈願しましたが、01年9月の<同時多発テロ>と<報復戦争>で幕が開き、市民は命を奪われ、幾百万のアフガンの難民が戦火を逃げまどう惨劇が続いています。
人類は歴史の出発点から戦争を繰り返してきたのが事実です。如何なる理由があろうとも、<テロ>や<戦争>に正義はありません。そこには善も悪もなく、尊い命の屍と瓦礫の山しかみることはできません。戦争が産み出すのは、言うまでもなく絶望と憎しみと死のみです。今こそ、人類の知恵と創造力が必要とされています。
インドの神話パカヴァット・ギータに人類の未来を示唆する素晴らしい教えがありま。兄弟同±が醜く争いあいその結果、決して使ってはならない武器を使ってしまった。それを使ったものは、争いには勝つことができたけれども、拭いきれない後悔の念を抱えつづけ苦しんだといいます。インドとパキスタンは、兄弟のような関係であるといえます。両国は争いを超えて、対話による平和の道を模素することができると、私たちは信じてやみません。インドには、アヒンサー(絶対平和)という、世界に誇るべき平和の哲学が存在しています。ガンディーの非暴力主義もそこから誕生し、沖縄も日本も、そして世界の平和を思う人々が多大なる影響を受けてきました。世界を覆うテロと報復の終わりなき人類の不幸に対し、その素晴らしい精神文化が光をもたらすということを私たちは確信しています。私たちは、アヒンサーの精神を学び、世界へと伝えてゆきたいと思っています。
私たち『すべての武器を楽器に!ピースメーカーズネットワーク』は、人類を絶望と恐怖のどん底に落し込めた戦争から魂を解放するため、<武器>を集め、溶解し、平和のモニュメントに変容させて建立するための活動を世界の国々に提案しています。武器を溶かすこと、平和のモニュメントを建立することは、殺された民衆の供養であり、人類史の総括に値すると思います。この世界的ムーブメントこそ国境を越えるグローバルな平和活動であり、地球から武器と戦争を廃絶するための歴史的一歩であると確信しています。
インド共和国政府国防大臣ジョージ・フェルナンデス閣下にお願い致します。国家、民族、宗教の違いを超えた人類の深い愛と信頼をつくりだすムーブメントに理解を頂き、インド国民の参加と貴国の軍隊が所有する武器を提供していただきたく特段のご配慮を重ねてお願い中し上げます。
私たちは、貴国から提供いただいた武器を沖縄に特ち帰り、それを溶かして平和のモニュメントを建立し、未来永劫にわたり平和と日印友好の象徴にしたいと思います。
2002年2月11日 『すべての武器を楽器にピースメーカーズネットワーク』
共同代表 喜納昌吉、内田大円、上地昇、川満信一、高江洲朝男
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